2016年1月、東京・名古屋・大阪・福岡の全国4大都市にて開催された「ミュージカルのど自慢」。
実施告知からわずか1ヶ月の募集期間、かつ、ワークショップという点から成長過程にある15歳未満の参加は不可、という条件ながら、応募総数2000余組にものぼった今大会。
ミュージカル楽曲であれば演劇・映画・テレビドラマといったジャンルは不問であったことから、大人気作品のナンバーはもちろん、懐かしの名作や映像・音源化されていない激レアな曲まで、実に幅広い応募音源が集まりました。
その中から、厳しい書類・音源審査を経て、83組のみなさんが、各地大会の舞台上で歌声を披露し、講評者の温かく、時に厳しいコメントを受けたのでした。

そして、2016年5月30日。
各地大会から24組26名が、最優秀(50万円を授与)を目指していよいよ、東京/帝国劇場で、グランドファイナルの舞台に挑みます。

グランドファイナル当日は、数々のミュージカル作品に出演している森公美子さん・駒田一さんの進行で、24組がそれぞれの歌を生バンドの演奏で披露する他、本大会の主催:映画演劇文化協会が手がけるミュージカル「南太平洋」や、5月22日より帝国劇場で上演されている東宝ミュージカル「天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~」からのデモンストレーションも予定されています。

まずは、各地大会の模様をご紹介していきましょう。

2016年1月11日 福岡大会
1月11日、新年明けて間もなくの月曜日。成人式の祝日。
劇団四季の福岡での拠点としてその歴史をスタートし、現在では様々なミュージカル等の公演が上演されているキャナルシティ劇場で、「ミュージカルのど自慢」第1回目の地方大会が開催されました。

4大会すべての講評を担当するのは、「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」「ラ・マンチャの男」など長年にわたり東宝ミュージカルの音楽監督・歌唱指導を務める一方、ミュージカル座作品等のオリジナルミュージカルを創作するなど、日本ミュージカル界に欠かせない存在である、山口Billy琇也さん。
そして、福岡のゲスト講評者は、「レ・ミゼラブル」初演のエポニーヌ役でミュージカルに本格デビュー後、第一線で活躍を続けつつ、現在は大阪芸術大学教授として後進の指導・育成にもあたられている島田歌穂さん。

まずは、山口Billyさんによる客席参加OKの全体発声から始まった大会は、10代が5名、20代9名、30代4名、40代1名、50代2名、合計20組21名の出場者が一組ずつ舞台中央に進み出て歌を披露し、それに対し、山口Billyさん、島田さんが講評を行う、という形で進みました。

伴奏は、出場者本人の希望により、DAM第一興商、JOY SOUNDの2社からご提供いただいたカラオケ音源を使用、あるいは、ピアニストによる生伴奏、のいずれか。講評者2名に、大会主催である映画演劇文化協会と、運営協力の東宝からそれぞれ1名ずつ、合計4名による5点満点方式の採点で審議を行いました。

1組目は、音楽活動を行いつつミュージカル出演も目指しているという、20代の女性。ディズニー映画「リトル・マーメイド」より♪パート・オブ・ユア・ワールドをのびのびとした歌声で披露しました。
続いては、男性人気が非常に高いミュージカル「ラ・マンチャの男」より名曲♪見果てぬ夢を、20代男性が力強く熱唱。
3組目は、沖縄からの参加で、20代男女によるミュージカル「ミス・サイゴン」♪世界が終わる夜のように。ミュージカル的な歌唱とは異なる独自の世界観が、とても新鮮でした。
4組目の曲は、舞台化もされている映画「キャバレー」より♪キャバレー。軽快なリズムに乗り、40代女性が軽やかに歌いました。
5組目は、2012年に映画版も世界的大ヒットしたミュージカルの金字塔「レ・ミゼラブル」より♪夢やぶれて。20代女性が歌い上げました。
次に登場したのが、50代男性。映画でも有名なミュージカル「マイ・フェア・レディ」より♪君住む街で、を実に楽しげに歌い上げた後、「ロビンちゃん(TV「がんばれロボコン」で若き日の島田さんが演じたキャラクター)に会えた!」と話す笑顔が、とても印象的でした。
「ミス・サイゴン」から2つめの曲となったのが、続いての♪命をあげよう。沖縄から登場した20代女性の力強い歌唱は、本格的に歌を始めてまだ半年というのが信じられないほどでした。
8組目は、20代男性による♪ゴー・ザ・ディスタンス。藤井フミヤさんが歌った、ディズニー映画「ヘラクレス」のテーマソングです。軽やかで伸びやかな歌声で、会場を魅了しました。
9組目は「レ・ミゼラブル」からの選曲で、20代男性が♪カフェソングを熱唱。10組目、ウイーン発の大人気ミュージカル「モーツァルト!」より、♪ダンスはやめられない。30代女性が、繊細でかつ力強さも必要な難曲に挑みました。
折り返して11組目は、同じくウイーンミュージカルの人気作「エリザベート」から。30代女性が♪私だけに、を最後の高音まできっちり歌い上げます。
12組目には、ディズニー映画「ノートルダムの鐘」より♪僕の願い。20代男性が役になりきっての歌唱を披露しました。
13組目は、30代女性による熱唱で、「ミス・サイゴン」の♪命をあげよう。この日、この曲は二人目の披露でしたが、大人の歌声が魅力的でした。
14組目には、50代女性による♪独白。「レ・ミゼラブル」で男性キャストが歌うナンバーを、女性が低音部の響きも豊かに、パワフルに披露しました。
重厚な曲が続いた後は、一転して軽やかに10代の兄妹によるデュエットです。「ミー・アンド・マイガール」から♪ミー・アンド・マイガール。井上芳雄さん・笹本玲奈さんが歌い踊った場面を、ダンス付きで再現披露してくれました。
続いても10代。「レ・ミゼラブル」♪オン・マイ・オウンを見事に歌ったのですが、アレンジが映画版のものとのことで、長く同曲を舞台で歌って来られた島田さんが「初めて聴くアレンジ」と驚く一幕も。
17組目には、宝塚歌劇団の人気作品「スカーレット・ピンパーネル」からの選曲で、♪ひとかけらの勇気。20代女性による、凛とした歌唱が印象に残りました。
18組目は、「モーツァルト!」から2つめのナンバー。♪星から降る金。30代女性がスケール感たっぷりに歌い上げます。
19組目、10代女性によるさわやかな歌声。映画や舞台でおなじみ「サウンド・オブ・ミュージック」より♪サウンド・オブ・ミュージック。のびのびとした美しい声は、映像でマリア役の吹き替えをされた島田さんにも絶賛されました。
そして20組目。ラストを飾ったのは、こちらも10代女性。ディズニー映画「ライオンキング」の♪サークル・オブ・ライフ。雄大な自然を感じさせる伸びやかで開放的な歌声が、劇場中に響き渡ったのでした。

全20組の歌唱披露後には、主催者:映画演劇文化協会のデモンストレーションがありました。
同協会は、全国でミュージカルワークショップを開催していますが、その一環として、沖縄の方たちと共にオリジナルミュージカルを製作しています。その作品「H12」が、九州でも上演される、ということもあり、「H12」出演者たちが、作中の一場面を披露しに来てくれたのです。
白い衣裳に身を包んだキャストたちの歌からは、オリジナルミュージカルにかける意気込みが、強く伝わってきました。
ちなみに沖縄、ミュージカル作品が巡演される機会がほとんどないそうなのですが、ミュージカル熱は高く、熱心にオリジナル作品を製作・上演されているのだそうです。

デモンストレーションの後は、山口Billyさん・島田歌穂さんによる、15分ほどのトークショー。
お二人の、ウン十年前にさかのぼっての出逢いに始まり、こんなことが・あんなことがといった想い出話や、共に後進の育成にあたっておられるお二人だからこそのコメントなどが、時間一杯に語られました。

そしていよいよ、結果発表。
20組の中から、♪パート・オブ・ユア・ワールドを歌った的野祥子さん、♪命をあげようの屋比久知奈さん、♪ゴー・ザ・ディスタンスの中川大樹さん、♪オン・マイ・オウンの江藤香織さん、♪サウンド・オブ・ミュージックの八尋由貴さん、以上5名が、ファイナリストに決定しました。

実は、グランドファイナル出場は25組を予定。
1大会で決定するファイナリストは5~6組を上限とし、4大会すべてが終わったところで、25組の残りの枠を追加で決定するというシステムを、今大会では取り入れました。

この福岡大会からは、♪キャバレーを歌った吉田尚子さんが、後日、ファイナリストに追加決定。グランドファイナル進出を果たしています。


福岡大会参加者のみなさん(H12出演者も一緒に)。
最前列左から山口Billyさん、的野祥子さん、屋比久知奈さん、中川大樹さん、
八尋由貴さん、江藤香織さん、島田歌穂さん。
的野さんと屋久比さんの間が、吉田尚子さん。


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